
「その大きいのは骨髄移植したとき」「顔の形のビーズは髪が抜けたとき」
無数に連なる、色とりどりのビーズの束は、ずっしりと手応えがあった。骨髄移植の拒絶反応に苦しんだ日々も、同じ病棟の友だちとゲームやおしゃべりをした楽しい思い出も、一つ一つに詰まっている。
大阪市の北東紗輝(さき)さん(22)は、小児がんと闘い続けてきた。3歳で脳腫瘍(のうしゅよう)が発覚。摘出したものの翌年に再発し、抗がん剤治療を受けた。小学3年生だった9歳の時には、急性骨髄性白血病を発症。1年3カ月の入院生活で2度の骨髄移植を受けた。ビーズをつなぎ始めたのは、その頃だ。仲の良かった臨床心理士からの勧めだった。
ビーズつなぎは、「ビーズ・…